cu(1)
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FreeBSD 一般コマンドマニュアル
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cu
cu
書式
cu [ options ] [ system | phone | "dir" ]
解説
cu コマンドは、他のシステムを呼び出し、ダイヤルイン端末と
して働きます。本コマンドは、エラーチェックを行わない、簡単
なファイル転送プログラムとしても使用できます。
cu は、1 つの引数を、オプションとともに指定可能です。引数
として指定する文字列が "dir" の場合には、cu はポートとの直
接接続を行ないます。本オプションは、ユーザがポートへのライ
トアクセスを行なう場合にのみ使用され、通常はモデム等の設定
のために用いられます。
引 数 が数字の場合には、その引数は電話番号として解釈されま
す。そうでない場合には、その引数は呼びだすシステム名として
解釈されます。 -z または --system オプションは、数字で始ま
るシステム名を引数で指定する場合に指定しなければならないも
の であり、 -c または --phone オプションは、数字以外の記号
で始まる電話番号を引数で指定する場合に指定しなければなりま
せん。
cu は、UUCP設定ファイルに記述されたポートを用います。もし
単にシステム名だけが引数で与えられた場合、そのシステムへの
発 呼 に 最 も 適 し た ポ ー ト が 選 ば れ ま す。
-p,--port,-l,--line,-s や --speed オプションが指定された場
合、ポート選択を制御することが可能です。
リ モートシステムとの間でコネクションが設定された場合、 cu
は 2 プロセスを fork します。1 プロセスは、ポートからの デ
ー タ読みだしと端末へのデータ書き込みを行ない、もう 1 プロ
セスは、端末からのデータ読み出しとポートへのデータ書き込み
を受け持ちます。
cu は、通信中に使用可能なコマンドがあります。それらのコマ
ンドはすべて、エスケープ文字から始まります。エスケープ文字
は、 デフォルトでは ~ (チルダ)です。エスケープ文字は、行頭
において入力された場合にのみ認識されます。エスケープ文字を
行頭に含むデータをリモートホストに送りたい場合には、当該エ
スケープ文字を 2 回入力しなければなりません。全てのコマ ン
ド は、1 文字か、もしくは % 文字(パーセント記号)に続く複数
文字です。
cu では、以下のコマンドを使用できます。
~. 通信を終了します。
~! command
シェル経由でコマンドを実行します。コマンドが指定さ れ
ない場合には、シェルが起動されます。
~#, ~%break
可能であればブレーク信号を送ります。
~c directory, ~%cd directory
ローカルディレクトリを変更します。
~> file
ファイルをリモートシステムに送ります。本コマンド は、
ファ イルを通信路を経由して、ファイルをダンプするのに
用いられます。この場合、リモートシステムがこの動作 を
想 定して動作しているものとみなして動作しますので、注
意して下さい。
~< リモートシステムからファイルを受信します。このコマ ン
ド を 実 行すると、 cu コマンドは、ローカルファイル名
と、ファイル転送のためにリモート側で実行すべきコマ ン
ドの入力を促します。本コマンドは、 eofread 変数で指定
される文字を受信するまでデータ受信を継続します。
~p from to, ~%put from to
ファイルをリモート Unix システムに送信します。本コ マ
ン ドは、リモートシステムがファイルを受信するために必
要なコマンドを自動的に起動します。
~t from to, ~%take from to
リモート Unix システムから、ファイルを取得します。 本
コ マンドは、リモートシステムからファイルを送信するた
めに必要なコマンドを自動的に起動します。
~s variable value
cu の変数を、指定した値に設定します。値が指定さ れ な
かった場合、変数は true に設定されます。
~! variable
cu の変数を false に設定します。
~z cu セッションをサスペンドします。この機能は、そんなに
多くのシステムでサポートされているわけではあ り ま せ
ん。 ^Z によってジョブをサスペンドできるシステムで
は、 ~^Z も、セッションをサスペンドします。
~%nostop
XON/XOFF 制御を無効にします。
~%stop
XON/XOFF 制御を有効にします。
~v 全ての変数と、その変数に設定された値を表示します。
~? 使用可能なすべてのコマンドを表示します。
cu は、いろんな変数を備えています。これらの環境変数一
せん。デフォルトでは、復帰および、^U, ^C, ^O, ^D, ^S,
^Q, ^R の各文字です。
binary
ファ イルを送信する時に、バイナリデータを転送するかし
ないかを設定します。本変数が false の場合には、ファイ
ル 中のニューライン記号はすべて、キャリッジリターンに
変換されます。デフォルトでは false です。
binary-prefix
binary 変数が true の状態でファイル転送を行う時に、バ
イ ナリ文字を送る前に使われる文字列の設定を決めます。
デフォルトでは ^V に設定されます。
echo-check
リモートシステムのエコーバックをチェックすること で、
ファ イ ル 転送のチェックをするかどうか決めます。しか
し、あまりちゃんと動かないでしょう。デフォル ト で は
false です。
echonl
ファイル中の1行を送信した後に検出しようとする文字を設
定します。デフォルトでは、復帰文字です。
timeout
エコーバックもしくは echonl 文字の検出をタイムアウ ト
と する時間を秒単位で設定します。デフォルトでは 30 で
す。
kill エコーチェックが失敗した場合に、1 行削除に使う文字 を
設定します。デフォルトでは ^U です。
resend
エ コーチェックが失敗しつづけた場合に、1 行を再送する
回数を設定します。デフォルトでは 10 です。
eofwrite
~> コマンドを用いてファイルを送信し終った場合に、最後
に 送 信する文字列を設定します。デフォルトでは、^D で
す。
eofread
~< コマンドを用いてファイルを受信する場合に、検出する
文字列を設定します。デフォルトでは $ です。この文字列
は、典型的なシェルプロンプトです。
verbose
ファイル転送時に、転送情報を表示するかどうか設定し ま
す。デフォルトでは true です。
オプション
cu. コマンドでは、以下のオプションが指定可能です。
--nostop
XON/XOFF 制御を無効にします。デフォルトでは有効です。
-E char, --escape char
エスケープ文字を指定します。初期値は ~ (チルダ)です。
-E '' とすることにより、エスケープ文字を無視 で き ま
す。
-z system, --system system
発呼先のシステムを指定します。
-c phone-number, --phone phone-number
発呼先の電話番号を指定します。
-p port, --port port
使用するポートを指定します。
-a port
--port port と同じです。
-l line, --line line
使 用する回線を、デバイス名で指定します。本オプション
は、UUCP 設定ファイルに記述されていないポートを用いて
通 信 を 行 な う 場 合に使用されます。当該デバイスに
は、write パーミッションが許可されていることが必要 に
なります。
-s speed, --speed speed
通信速度(ボーレート)を設定します。
-# # に位置するのは数字です。 --speed # と同じです。
-n, --prompt
使用する電話番号の問い合わせプロンプトを出力します。
-d デバッグモードに入ります。これは --debug all と同様で
す。
-x type, --debug type
特定のデバッグタイプを有効にします。タ イ プ と し て
は、abnormal, chat, handshake, uucp-proto, proto,
port, config, spooldir, execute, incoming, outgoing
が あ り ま す。 cu では、abnormal, chat, handshake,
port, config, incoming, outgoing が意味を持ちます。
本オプションでは、コンマで区切ることで複数のデバッ グ
タ イ プ が 指定可能です。そして、 --debug オプション
は、1回のコマンド起動で複数回指定可能です。また、タイ
プ と し て 数 字 を 指定することも可能です。例えば、
--debug 2 という指定は、 --debug abnormal,chat と同じ
意味です。 --debug all は、すべてのデバッグオプション
が指定されたのと同じです。
関連ファイル
ファイル名は、コンパイル環境や設定ファイルの内容によって変
わ る ことがあります。ここに挙げるのは、一例でしかありませ
ん。
/etc/uucp/config - 設定ファイル
作者
Ian Lance Taylor <ian@airs.com>
Taylor UUCP 1.06 cu(1)